PCDJとヘッドホン ~現代的DJの機材選び (7)

 

今回は、急ぎ足でPCDJソフト(Traktor、Seratoなど)で、主にSync機能を使用するDJプレイにフィットするDJヘッドホンを紹介します。

   

DJ用途の場合、機材はかなり酷使されるので、ヘッドホンも消耗品と考え高価なものはここでは紹介しません。

したがって今回は、1万円前後で十分実用可能な機種に絞って「独断と偏見で」厳選した二つのモニターホンと、番外編でそれよりちょっと高価なヘッドホンを一つ紹介します。

どれも多くの人から愛されている定番的な機種。この3つうちのどれを選んでも満足できる可能性は高いのでは。

 

 

  「現代的DJの機材選び」目次

 

1 「古くて新しい波」ロータリーミキサー

 

2 「DVSとPCDJ」リアルミキサーとPCを使ったDJプレイ

 

3  本格的なDJプレイを望む人にお勧めしたい 「Kontrol Z2 DJ Mixer」

 

4  MIDIコントローラーとインターナルミキサーを使ったDJプレイ

 

5  MIDIコントローラーでDJをする場合の利点と欠点

 

6  これからDJを始めてみたい方への指針

   

7  PCDJとヘッドホン

今回はここ

  

 

 

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MDR-7506 

 

SONY ステレオヘッドホン MDR-7506

   

ソニー製のMDR-7506は、DJ、DTM、リスニングと広範囲に使用できるオールマイティーなヘッドホン。古き良きソニーの歴史が香るデザイン。これぞ、質実剛健。

 

 

おまけで紹介しておくと、こちらは姉妹機のMDR-V6。MDR-7506、MDR-V6ともにモニタライクな音質だと思うが、聞く人が聞くとMDR-V6の方がよりソフトな音質で、方向性は若干違うと言う方もいるようです。こちらもファンが多いモニタヘッドホン。

SONY スタジオヘッドホン MDR-V6 (国内未発売) 並行輸入品

  

   

特徴と長所を淡々と挙げていくと、、

MDR-7506は、モニターライクでかなりフラットだが、兄弟機種のMDR-CD900STと比べ、低音が多めでまろやか。聴き疲れしないのも良い。

SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900ST

日本のスタジオエンジニアのリファレンスモデル「MDR-CD900ST」

  

とは言え、多くのDJ用と言われるヘッドホンと比較すれば、こちらは「低音が多め」とは言っても、相当フラット。

 

TraktorなどPCDJソフトのSync機能を使う場合は、テンポを合わせをする場面はそれほど多くない。と言うか事前の仕込み(※)さえきちんとしておけば、ほとんどテンポ調整は必要なくなるだろう。

したがって、従来のキックを聞き取りやすくするための低音重視系DJヘッドホンより、解像度の高いフラットなモニターヘッドホンを使ったほうが、精緻なミキシングがしやすいと思う。

それらの条件にしっかり合致するMDR-7506は、PCDJと親和性の高いヘッドホンと言えるだろう。

 

(※)ビートグリッドの調整がPCDJの仕込みの中ではまず一番の優先事項。

 

MDR-7506は著名なDJの愛用者が多いが、どちらかというとプロデューサー寄りのDJやハウス系のDJたちに好まれる傾向がある。

アメリカではスタジオ用ヘッドホンの定番でもあり信頼性は高い。

発売からかなりの時間が経ってるがこれといったフルモデルチェンジはせずに、しっかり生き残っているのも完成度の高さゆえだろう。

 

コンパクトに折りたため、持運びもしやすい。ジャックがステレオ標準ジャックとステレオミニジャックに対応しているので、PCDJ用インターフェイスによく採用されているステレオミニジャックにも直に接続できる。

品質の割に価格が安くお得感がある。しかも丈夫。(1万円台前半)

     

逆に欠点は、

遮音性がDJ定番のHD25-1 IIほどは高くないので、大きなスピーカーを使用するイベントでは外の音に負けてしまいやすい。

イヤーパッドが1、2年するとボロくなってしまうので交換は必須。(交換パーツは500円から2000円ほど)

 

また、日本のスタジオモニターの定番MDR-CD900STほどは解像度が高くはない。

見た目がクラシカルなので、好みが分かれる事も欠点の一つかもしれない。

ちなみにMDR-7506は、偽物が多く出回っているので、信用のある販売店で購入した方が良いかもしれない。

アマゾンなら、不具合があった場合、他の販売店と比べ、返品や交換が圧倒的にスムースなのでオススメ。(ただし、マケプレの出品は避けた方が無難。アマゾン直か大手のビックカメラやヨドバシやジョーシンなどから購入した方が安全。)

  

  

 

Shure SE215

    

最近は、DJの間でも健康ブーム(嘘)で聴覚のケアを第一に考える人も増えている。

DJプレイ中は、外部のスピーカーの爆音に負けないようにと、どうしてもモニター(ヘッドホン)の音量も上げがちになる。

コレ、耳には相当なダメージになります。

すっとやってるとかなりの確率で難聴になるでしょう。一回難聴になったら基本的に元には戻らないそうです。

  

解決方法としては以前から、DJプレイ時に特別なイヤープラグを装着して耳に入ってくる音量を制限する方法が、聴覚ケアの有効な手段だと言われてきた。

自分もイヤープラグを使った事はあるが、音が聞き取りにくく感じてしまい継続して使うには至らなかった。

  

インイヤーモニター(IEM)を使用したDJプレイの方が聴覚にはやさしい

最近は、もう一つの有力な聴覚ケアの方法として、インイヤーモニター(IEM)を使用するDJが増えている。

IEMの良いところは、外部の音をほぼシャットアウトできるので、モニターの音量を大音量にせずともしっかり音が聴き取れるところ。ロングプレイでも、耳への負担をぐっと抑える事ができる。

 

と、良い事を先に書いてしまったけれど、IEMには大きな欠点もある。

当然のことだが、それは、外の音が聞こえない事。

IEMは装着がタイトなので、ヘッドホンのように付けたり外したりするような作業には向かない。

また、IMEはミキシングには集中しやすいが、IEMで鳴っている音は外のメインスピーカーで鳴っている音とは多少の差異がある。それが原因で思いもよらない失敗を誘発してしまう可能性がある。

IEMを使用したDJプレイは、観客のいるフロアーから隔絶された感覚に陥り易く、従来のDJプレイとは趣がだいぶ異なる。

この辺の解決方法は、フロアーの音の鳴り方を事前にチェックする事と、普段の訓練で慣れていくしかない。

  

また、本格的にIEMでDJをやるならダイナミック型のIEMよりバランスド・アーマチュア型(BA型)の方が繊細な音の表現が可能なのでオススメされる事が多い。しかし、BA型は低音が弱いと言う弱点がある。

その弱点は、複数ドライバーを搭載する事でほぼ克服する事ができるようになってきた。

ただし、複数ドライバーを搭載したBA型はかなり高価で、価格レンジは4万円を超える。

【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE535 メタリックブロンズ SE535-V-J

ShueのBA型IEM「SE535」。3つのドライバーを搭載し、繊細な表現と豊かな低音を実現したハイエンドモデル。実売価格5万円超。


IEMの欠点は、通常のヘッドホンと比べて断線など故障や消耗がしやすいこと。またDJ用途では酷使する事が多いので、そこまで高価なものを買う気になれる人は多くはないと思う。

そこで、多少の妥協はあるのだが、私のオススメはShureのSE215。

【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE215 Special Edition トランススルーセントブルー SE215SPE-A

 

 

SE215は、Shureのダイナミック型では最高峰の機種だが、価格は手頃な約1万円。

上を見たらきりがないけど、このSE215でもそこそこクリアな音が鳴るので、ミキシングはやりやすいと思う。

  

欠点は、音場が若干狭く感じる事。この辺はダイナミック型の限界かもしれない。

音の広がりの乏しさはDJプレイにダイレクトに影響してくるが、SE215に関しては、そこまで言うほど窮屈な感じではないので、自分としては許容範囲。

 

音の傾向は、基本的にはフラットでモニターライクな素直な音を出すが、若干低音寄り。高音は尖っていないというか解像度はそれほど高くない印象。中音はしっかり鳴っていて厚い感じ。音的には聞き疲れしにくいので長時間装着できる。

遮音性はとにかく良くて、音量をそれほど上げなくても聞き取りやすいのがありがたい。

 

まあ何と言っても1万円ちょっと。実用的なIEMとしては格安の部類。IEMを用いてDJをやるなら、このSE215あたりが最低許容ラインだと思う。

と言うか、価格や機能面など総合的に見れば、かなりバランスのいい機種じゃないかと思う。

観賞用途でもなかなか良い感じ。平べったいので寝ホンとしても使えます。。

 

 

番外:HD25-1 II

 

【国内正規品】ゼンハイザー 密閉型ヘッドホン HD25-1 II  

 

最近のテクノ、ハウス系のDJ用ヘッドホンの定番と言えば、SENNHEISER ( ゼンハイザー ) のHD25-1 II。

 

私自身はHD25を所有していないのですが、試す機会は今まで幾度もあり、率直に言って機会があれば是非購入したいと思っています。

モニターヘッドホンに必要とされる以上のクリアで解像度の高い音質。キックを取りやすい良質な低音。観賞用にも使いたくなる気持ちのいい音。本当に欠点を見つけるのが難しい完成度の高いヘッドホン。

形状はコンパクトな耳乗せタイプで、側圧が強め。頭周りの大きい人には、長時間の使用は耳が痛くなることがあるかもしれない。

  

外観は結構プラスチッキーだが、意外と丈夫。もし一部が破損、消耗しても、パーツ売りしているので長く使える。

ヘッドホン選びに迷ったら、これ一本買っておけばまず後悔することは少ないのでは。

ただし価格は、今回の企画からはかなりオーバーして3万円弱と結構します。

追記:HD25の新パッケージが発売されました!絶対買いです!!

DJ用ヘッドホンの鉄板「HD25」の新パッケージが発売されました。
上記のHD25 IIと比べ、刻印などの細かい若干の変更はあります。また、キャリングケースがつかないなどのシンプルな構成となっていますが、中身の性能はほとんど変わらないようです。これで価格は約50%オフ!凄すぎる、、コスパ最高です。

(ゼンハイザー・ジャパンの保証がある)国内正規品では今のところアマゾンが最安値です。

 

以上、独断と偏見で、PCDJにフィットする万能なモニターヘッドホン/イヤホンを3つ紹介しました。

今流行りのファッショナブルなDJヘッドホンとは違うけれど、やはり道具は質実剛健で、そこから垣間見える機能美が今回紹介した三つのヘッドホンには十分感じられると思います。

個人的には、MDR-7506とSE215の2つがあれば、長期旅行の際もそこそこ満足。

  

それと今回特に言いたかったのは、

TraktorなどのPCDJには従来の低音重視のDJ向けヘッドホンじゃなく、もう少しフラットなモニターヘッドホンの方がフィットするかもよ」って事と

聴覚保護にIMEの使用も検討した方がいいかもね」って事でした。

  

最後に、ヘッドホンは、個々の嗜好の偏りが激しい商品なので購入前に試聴した方が良いと思います。

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