
Klevgränd『Altitude』は、ピッチ補正・3声のスマートハーモニー・MIDIキーボードで演奏できるボーカルインストゥルメント機能・強力なモジュレーションを、レイテンシーゼロのリアルタイム処理で1つにまとめたボーカルプロセッサーです。
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『Altitude』の要点

Altitudeは、スウェーデンのプラグインメーカーKlevgrändが2026年5月にリリースしたリアルタイム・ボーカルプラグインです。
ピッチ補正にハーモニー生成、MIDI演奏、変調までを1つのウィンドウに統合しています。
「ピッチ補正の補助ツール」ではなく「ボーカル加工そのものを制作の中心に据える」ような使い方を前提に設計されています。
ゼロレイテンシーで動作するため、ライブパフォーマンスで歌いながら補正やハーモニーをリアルタイムに追従させる使い方ができます。
スタジオではトラックダウン時のクイックな処理から、MIDIキーボードで歌声を即興的に演奏する「ボーカルインストゥルメント」としての利用まで対応します。
ボーカル加工に時間をかけたくないプロデューサー、ライブでコーラスやハードチューンを自在に操りたいシンガー、既存のボーカルチェーンを整理したいエンジニアなどに向く、新しいカテゴリのプラグインです。
主な用途:
- リアルタイム3声ハーモニーを使ったボーカルトラック制作
- ライブパフォーマンスでのピッチ補正+ハーモニー+エフェクトの統合処理
- MIDIキーボードによるボーカル演奏(メロディフレーズの打ち込み・プレイバック)
- ハードチューン系のエフェクティブなボーカルサウンド制作
- ボーカルチェイン全体のモジュレーションによるリズミック/テクスチャ処理
- ピッチが甘くなったテイクのスポット補正(パンチインモード)
ポップス、EDM、R&B、ロック、シンセポップなど、ボーカルが前面に出るジャンル全般で活用できる設計です。
デモ動画
ざっと見デモ動画(1分):
Klevgränd公式によるウォークスルー動画(13分):
サウンド&機能レビュー(4:44):
- この動画では、Production ExpertのLuke氏が、ワンウィンドウで完結するボーカル制作用プラグイン「Klevgrand Altitude」の機能とサウンドを紹介しています。
- プラグインには「ピッチシフト」「ハーモニー」「モジュレーション」「ビブラート」「プレイ・モジュール」の5つの主要セクションが搭載されていて、電源スイッチで個別にオン/オフが可能です。
- グローバルなフォルマントとピッチコントロールにより、キーやスケールのマニュアル設定、チューニングの自動化(自然な補正からハードチューン風の極端な効果まで)を実現しています。
- 「プレイ・モジュール」では入力されたMIDIで第2のボイスを演奏でき、「ハーモニー・エンジン」はダブラーや2種類の深度設定など、ボーカルに厚みを加える多彩な機能を備えています。
- モジュレーションセクションでは3つのモジュールを手動ステップまたはLFOで制御でき、ウェット/ドライレベルによりコーラス的な効果も得られます。全体として、1つの画面で完結する高度なボーカル処理ステーションとして評価されています。
『Altitude』の詳細

ゼロレイテンシーのフォルマント対応ピッチ補正エンジン
Altitudeの中核には、フォルマントを認識して処理するピッチ補正エンジンが搭載されています。レイテンシーは実質ゼロのため、歌いながらリアルタイムで補正が追従し、ステージでも違和感なく使用可能です。
補正の強さは設定によって微調整でき、極端な設定でも不自然になりにくいよう設計されています。ハードチューン風の極端な補正から、わずかなピッチ揺れだけをなめらかに整える透明な処理まで対応します。
また「パンチインモード」を使えば、フレーズ全体ではなく特定の音符だけに補正を効かせることができます。歌の表現力はそのままに、ピントがずれた音だけを手早く直したい場合に便利です。
リードボーカルを厚くする2種類のダブラーモードと、ステレオ幅を広げるワイドナーも搭載されており、サチュレーション的な音作りから空間的な広がりまで対応します。
最大3声のスマートハーモニーとスケールシステム
Altitudeのハーモニーエンジンは、最大3つの独立したボイスを生成し、リードのメロディとコード進行(キー)を自動で追跡します。不協和な音程を自動的にスキップする仕組みも備わっており、メロディが動いてもハーモニー側が音楽的に破綻しにくいという特徴があります。
各ボイスは個別に処理され、ビブラート、ハマニザー、自動フォルマント補正といったオプションも用意されているため、生成されたハーモニーが機械的にならず有機的な響きになりやすい設計です。
さらに、スケール機能をMIDI経由でリアルタイムにコントロールできるため、ライブ中にキーやスケールが切り替わるセットリストでも柔軟に運用できます。和声音をメロディとは独立に無効化できるので、メロディがどう動いてもハーモニー側の響きが破綻しません。
多数のプリセットスケールに加えて、マイクロチューニング対応のカスタムスケールも作成可能です。
MIDIプレイ可能なボーカルインストゥルメント機能
Altitudeの目玉機能の一つが、声をMIDIキーボードやDAW上のMIDIデータで「演奏」できる「Play」モジュールです。声を単なるメロディとして使うのではなく、コードを押さえてハーモニーボイスを鳴らしたり、単音でメロディフレーズを弾いたりといった使い方ができます。
アタックとリリースで声の立ち上がりや余韻を整え、ワイドナーとダブラーで音の太さや広がりを作り、フォルマントシフトで音域ごとのキャラクターを制御できます。オートコレクトも併用できるため、声を楽器として弾きながらピッチを安定させることも可能です。
これにより、DAWのピアノロールにハーモニーボイスをMIDIで書き込んだり、キーボードを弾きながらハモリをその場で生成したりする制作フローが可能になります。
3系統のモジュレーターと16ステップ・エンベロープエディター
Altitudeには3つの独立したモジュレーターが搭載されており、各モジュレーターはピッチ、フォルマント、ハーモニーインターバル、パン、ボリュームなど最大8つのターゲットに同時にアサインできます。
モジュレーターはDAWのテンポに同期させることも、独立したレートで自由走行させることもできます。波形はサイン、ノコギリ、スクエアの3種類から選べるほか、16ステップのカスタム・エンベロープエディターで独自のリズムパターンを作成可能です。
スローなピッチモーフから、シーケンス的な動き、エイリアン的なテクスチャまで、モジュレーション次第で幅広い表現が得られます。外部のLFO系プラグインを追加しなくても、ボーカルチェーン内で完結する表現力が確保されています。
呼吸感のあるビブラートと豊富なピッチ/ハーモニー補正オプション
ビブラートモジュールは、各ボイスごとに Rate と Depth が独立してわずかに変化するよう設計されており、本物の歌手のように「揺れがボイスごとに異なる」自然な表現が得られます。Fade-inによって、音の立ち上がり直後すぐにビブラートが乗ってしまう不自然さが抑えられます。
設定可能な Speed と Depth のレンジは幅広く、ほぼ知覚できないほどの緩やかな揺れから、人間の声では再現できない速さのトレモロまでカバーします。
各ボイスのピッチ、フォルマント、ミックスレベル、パンなどを個別にコントロールできるため、生成されたハーモニーを既存のミックスに溶け込ませる作業もスムーズです。
機能
- レイテンシーゼロのフォルマント対応ピッチ補正
- MIDIでコントロール可能なスマートスケールシステム
- 2つのダブラーモード+内蔵ワイドナー
- MIDIプレイ可能なボーカルモジュール
- 特定音のみに補正を適用できるパンチインモード
- DAW同期または自由走行のモジュレーション
- キー対応で最大3声のスマートハーモニー
- 3系統のモジュレーター(各8ターゲットまで)
- Fade-inとボイスごとのRate/Depthバリエーション付きナチュラルビブラート
- 16ステップ・モジュレーション・エンベロープエディター(スムージング対応)
- マイクロチューニング対応
システム要件
- macOS 10.13以降(ARM / Intel対応)
- Windows 10(64-bit)以降
- AU、VST、AAX対応の64ビットホスト
製品レビューのまとめ
各メディアでの評価傾向としては、リアルタイム性の高さ、MIDIで操作できるボーカルという新しさ、3声までのハーモニーの柔軟性が評価されはじめています。
特にスタジオでもライブでも同じプラグインで完結する設計は、複数のプラグインをチェーンする必要が減るため「制作フローが整理される」とレビューされています。
また、ピッチ補正エンジンがレイテンシーゼロで動作し、フォルマント対応で自然な補正が得られる点は、ポップスやR&B、EDMなどラウドで補正感の強いジャンルとの相性が良いとの評価があります。
一方で、新しさゆえの全カバー性については慎重な声もあり、MelodyneやAuto-Tune Graphical Modeのようなグラフィカルな音符単位の微編集には及ばないと指摘されています。
Klevgränd自身も「Altitudeは即時性とパフォーマンス性を優先しており、詳細なエディット志向ではない」と位置付けています。
価格帯については、発売直後のリリースセール価格に対するコストパフォーマンスの良さが評価されています。
ピッチ補正・ハーモニー生成・MIDIプレイ・変調までを1つにまとめた同種のプラグインが他にないため、市場でのユニークな立ち位置として好意的に受け止められています。
全体の傾向:
「リアルタイムでの即応性」「3声までのハーモニー生成とMIDIコントロール」「1つのプラグインに統合されたボーカルチェイン」が主なアドバンテージ。詳細編集タイプの競合プラグインとは志向が異なり、「歌いながら、またはDAWのMIDIで声を即興的に演奏する」新しい使い方ができる点がユニークです。
参照したレビュー記事の出典:
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