iZotope 『Tonal Balance Bundle』に含まれる4つの製品

音楽制作における肝であるミキシング、マスタリング、ボーカル処理。そして、iZotope社が提案する『トーナルバランス』 。それら4つの局面をこのソフトウェア群がカバーします。
音楽制作において迷うことの多い『ミキシング』『マスタリング』『ボーカル処理』の各分野で、(数回のクリックでプロ水準の仕上がりへ導いてくれるiZotopeの最新技術)『アシスタント機能』が使えるのが熱い。
以下に『Tonal Balance Bundle』に収録される製品群をメモしておきます。
Neutron 3 Advanced:ミキシング総合ツールの上位版
ミキシング用総合ツールのNeutron 3はAdvanced版を収録

ミキシング総合ツールのNeutron 3

ミキシング特化のツールNeutron 3。これ一つで大まかなミキシングは完了できます。
新しいミックス・アシスタントを利用すれば、数回のクリックでミキシングが完了します。
また、ミックス・アシスタントのミキシング結果を参考にすることで、ミキシングの学習にも役立ちます。
iZotope様による日本語解説動画集(全9巻):
iZotope Neutron 3の主な新機能

- 楽曲全体を聴いて各トラックの音量レベルを自動設定してくれる「Mix Assistant」
- まるで彫刻をする様に音を創りあげる「Sculptor」
- 視覚的で直感的なミックスを可能にする「Visual Mixer」
V2と比較しパフォーマンスが飛躍的に向上し、Neutronを数多くインサートしても快適に動作する様になり、更に画面のリサイズが可能になりました。
他にも数多くの改善や向上を施し、シリーズ最高の完成度に仕上がっています。
パフォーマンスの改善。(Neutronを数多くインサートしても快適に動作するようになっています。)


新しくなったNeutron3のデモ動画
楽曲全体を聴いて各トラックの音量レベルを自動設定してくれる「Mix Assistant」
彫刻をする様に音を創りあげる「Sculptor」
NeutronのAdvanced版とスタンダード版の違い
*Tonal Balance Bundleには最上位版の『Neutron Advanced』が収録されています。
(クリックで画像は拡大できます。)
NeutronのAdvanced版とスタンダード版の大まかな違い
*Tonal Balance Bundleには最上位版の『Neutron Advanced』が収録されています。
Advanced版は、EQ、コンプレッサー、エキサイター、トランジェントシェイパーの各機能を個別のプラグインとして動作させることができます。
Mix Assistant の追加機能の有無(Balance、Choose Mix Focus、Communicate with Neutron & Relay)
サラウンドサポートの有無
Ready Pluginの有無
Tonal Balance Control機能が使えるか否か
(追記:Standard版でもTonal Balance Control 2が使用可能になっています。)
Nentronはミキシング用のいわゆる「チャンネルストリップ」です。
Neutronに入っている各機能(チャンネルストリップ内のモジュール)が、個別のプラグインとして立ち上げられるか否かが、Neutron Advanced版とStandard版の大きな違いです。
それに加えて、Tonal Balance Controlとの連携の有無も重要です。(これもAdvanceのみの機能です。)
V3にリニューアルされたことにより、軽量化されたNeutron。今までよりマシンへの負荷が軽減されています。マシンパワーがあれば多くのトラックにNeutronを(チャンネルストリップとして)刺すことが可能になってきました。
とはいえ、各機能が個別で立ち上げられるのはAdvancedの利点であることには変わりはありません。(NeutronのEQやコンプなどの各機能が気に入っているのなら、比較的負荷が軽い個別の機能が単独で使えるAdvancedの方がより良い選択になるでしょう。)
Advanced版ならNeutronのダイナミックEQ(これが非常に良い出来)も個別で使えます。
チャンネルストリップとしての使用が前提となるStandard版と比較すると使い勝手が良いです。個別に起動できると小回りが利くので、Neutronの各プラグインの使用頻度が増えるはずです。
Standerdの場合は、Neutronを起動させるとすべてのツールが一緒に立ち上がりますが、各モジュールはオフにできます。
Advancedと比べると小回りの良さは削がれるかもしれませんが、Neutronのアシスタント機能を中心にに使ってくならStandardで特に不都合は感じないかもしれません。
(Tonal Balance Controlを積極的に使用していきたい場合はAdvanced一択です。)
Ozone 9 Advanced:マスタリング総合ツールの上位版
Tonal Balance Bundleには最上位版のOzone 9Advancedがちゃんと入っています。
Ozone 9 があれば、これ一本でマスタリングが完成できる流れになっています。
しかも、(誤解を恐れずに言うと)プロレベルのマスタリングの知識がなくても、Ozoneならなんとかなってしまう(ハイレベルなサウンドをいとも簡単に獲得できてしまう)恐ろしいソフトです。
かなりの部分の操作系統が、Ozoneにおまかせ(機械学習による自動化)が可能です。
iZotopeさまによるOzone 9の日本語による動画シリーズ(全14巻):
SleepFreaksさまによるOzone 9の新機能紹介:
iZotope Ozone 9:概要
Ozone 9がこれまでにない新しいローエンドのリアルタイム楽器分離のための処理により、音楽にバランスをもたらす方法を学びましょう。
(機械学習を活用した超高速のワークフロー。)
Tonal Balance Control、Imager、NKS統合などの改善は言うまでもありません。
『Tonal Balance Bundle』にはOzone 9 Advancedが収録されている
Ozone 9 StandardとAdvancedの機能比較表
(クリックで画像は拡大できます。)
Tonal Balance Bundleに収録されているのは最上位版のOzone 9 Advancedです。
標準バージョンのSatandard版と違い、Ozoneに付属する各プラグインを個別に使用することが出来きます。マシンへの負荷の節約に寄与します。
また、Advanced版では、スペクトラルシェイパーやビンテージEQ、ヴィンテージコンプレッサーなどの各機能が追加されています。
それに加えて、V9からの最新機能である「Master Rebalance」と「Low End Forcus」もAdvancedの独占機能です。
これがAdvancedに搭載されたことで、全バージョンのV8の頃と比較すると、AdvancedとSatandardの機能差がだいぶ開いた印象を持ちます。
上記以外のAdvanced版の独占的機能で特に重要なのが(iZotopeの新しい機能である)Tonal Balance Controlが使用できることです。
(追記:Standard版でもTonal Balance Control 2が使用できるようになりました。)
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マスタリング時の曲のバランスを絶妙な状態に持っていけるツール「Tonal Balance Control」
Ozone 9 新機能の解説動画
新しい目玉機能の 『Low End Focus』『Master Rebalance』
Low End Focus
Ozone 9の新しいLow End Focusモジュールは、業界初の低音シェーピングツールです。 次のプロジェクトで、濁りを最小限に抑え、明快さを高め、一般的なローエンドの問題に対処するための使用方法を学びましょう。
(Advancedのみの機能です)
Master Rebalance
Ozone 9のMaster Rebalanceを使用して、ベース、ボーカル、ドラムをリアルタイムで変更する方法を学びます。
EQを使用した外科的手術の時間を節約し、マスタリングにとって最も重要なソングの要素に焦点を合わせます。
(Advancedのみの機能です)
改良されたTonal Balance Control
Ozone 9の改善されたトーナルバランスコントロールの備わるセッション全体のバランスの問題に対処するように設計されたツールを使用して、確実なミックスまたはマスター翻訳を確保する方法を学びましょう。
(Advancedのみの機能です)
Master Assistant(マスターアシスタント)の使い方
Ozone 9の(マスタリング半自動化機能)マスターアシスタントは、音楽に合わせてインテリジェントに調整されたマスタリングの出発点をユーザーに提供し、ユーザーの経験レベルに関係なくプロのサウンドマスターを作成できるようにします。
その方法と、マスターアシスタントの新しいビンテージモードを最大限に活用する方法を学びましょう。
MaschineとOzone 9で曲をマスタリング
MaschineまたはKomplete Controlで音楽を作成しながら、Ozone 9 マスターのNKSサポートを紹介します。 次のMaschineセッションにOzone 9モジュールとプリセットを追加する方法を学びます。
Neutronのミックスアシスタントのマスタリング版的機能です。マスタリングの自動化を実現しています。
そのマスターアシスタントの中でも熱いのが、「リファレンス(参照機能、真似っこ機能)」です。
これは、ご自分の目標とする曲(リファレンス曲)をOzone8に取り込むと、ソフトが自動的に、製作中の曲をそのリファレンス曲の状態に近づけつつ自動で仕上げてくれる機能。
「このアーティストの曲みたいにマスタリングしてよ」とOzoneに命令すると、ササっとそのように仕上げてくれる非常に便利な機能です。
もちろん自動でマスタリングされた結果を、ユーザー自身が自由に調整していくことも可能です。(この自分で調整してく流れもやりやすいものになっています。)
Nectar 3:ボーカル専用ミキシングツール
ボーカル編集に特化したiZotopeの最新ソフトウェア

Nectar 3は、ボーカルトラックのミキシングで威力を発揮するボーカルプロセッシング総合ツール。



Nectar 3: ボーカルのミックスに必要な全てを
Nectar 3はプロフェッショナルなエンジニアのミキシング用途からクリエイティブなボーカルプロダクションまで、幅広い用途をカバーする最先端のボーカル用のチャネルストリップ型プラグインです。
ピッチ補正、EQ、コンプから空間系、ハーモニーの生成にモジュレーション系まで網羅。
更にiZotopeならではのAIによるアシスタントテクノロジーやUnmaskの機能がボーカルやぶつかる帯域にある楽器を解析して自動で各プラグインのパラメータを設定。短時間でハイクオリティなボーカルミックスを実現します。
Celemony Melodyne 4 essentialとRX 7 Breath Controlを同梱
Nectarにもモダンなオートピッチエフェクトを搭載していますが、より精細な手作業でのピッチ補正用途として、Celemony Melodyne 4 essentialを同梱しているので、オフラインでの繊細なピッチ補正もプロフェッショナルなクオリティで。
RX 7 Breath Control
iZotope RX Breath Controlをバンドルしているので、録音したボーカルの音質を損なうことなく、ブレスの音量だけをプラグインで簡単に除去、または均一に低減させることが出来ます。一つ一つのブレスの音にオートメーションを書く必要はありません。
参照:日本代理店のTacsystem様の解説ページ

iZotope様による日本語解説動画集(全11巻):
最新の『Nectar バージョン3』には、待望のiZotope得意の機械学習技術を応用したアシスタント機能(自動化ツール)「ボーカルアシスタント機能」が追加されています。
「Nectar3」には新たに以下の2つの機能が追加されました。
1. ボーカル処理の自動化機能
* Vocal Assistant(ワンクリックのボーカル処理自動化機能)* ボリュームオートメーションの自動化
の2つが装備されるようになりました。
(これが非常に画期的。)
高性能なダイナミックEQを備えた
「フォローEQモード」
「オートレベルモード」
の2つの機能で、音量にむらがでるボーカル処理で大変面倒な「ボリュームオートメーション」を書く作業を、自動化できるようになっています。
もうこれ、WavesのVocal Riderいらないんじゃないかな。。
2. Nectar3とTonal Balance Controlの間の連携機能の追加
Ozone8とNeutron2の間の連携機能は既に存在していましたが、MPS2からはNectar3との連携も可能になっています。
これの何が凄いかと言うと、Ozone8とNeutron2とNectar3の間をシームレスに行き来しながら、マスキング(トラック同士の音のかぶり)とトーナルバランス(ミックス、マスタリング時の音楽的に良い状態になるバランス)を整えることが可能です。
ミックス時の問題解決に非常に役立つ機能です。
これでボーカル処理に必要なことは「Nectar3」一台で大抵まかなえるようになりました。
Celemony Melodyne 4 essentialとRX 7 Breath Controlも収録
また、ピッチ修正機能として、Celemony Melodyne 4 essentialが新たに追加されたのも面白い変化でしょう。
RX 7 Breath Controlでは、録音したボーカルの音質を損なうことなく、ブレスの音量だけをプラグインで簡単に除去、または均一に低減させることが出来るそうです。一つ一つのブレスの音にオートメーションを書く必要性から開放されるようになりました。
Celemony Melodyne 4 Essential:
こちらもMusic Production Suite V2で、新たに仲間に加わったツールです。
Melodyneは、世界で一番利用されているピッチ補正ソフトウェアです。
なんとMelodyneが付属するとは。。
Melodyneの詳しい解説は、Melodyne日本代理店のフックアップ様のページを参考にしてください。
付属するのは下位版のEssentialですが、普通に買うと99ユーロ。
システム要件
Ozone 9 & Neutron 3
オペレーティングシステム
- Mac:OS X 10.11.6 (El Capitan) – macOS 10.15 (64ビット)
- Windows:Windows 7 (64ビット) (最新のサービスパック) – Windows 10 (64ビット)
プラグインのフォーマット
- AU
- AAX
- VST2
- VST3
*すべてのフォーマットは64ビットのみです。
サポートされているホスト
Ableton Live 9 – 10, Cubase 9.5, Digital Performer 9, FL Studio 12, Logic Pro X, Nuendo 8, Pro Tools 10 – 12, Reaper 5, Reason 10, Studio One 3 – 4
Nectar 3 & RX 8 Breath Control
オペレーティングシステム
- Mac:OS X 10.8.5 (Mountain Lion) Pro Tools 10のみ、OS X 10.9.5 (Mavericks) – macOS 10.15
- Windows:7 – 10
プラグインのフォーマット
- AU (32 & 64-bit)
- AAX (64-bit, real-time)
- AAX-AS (64-bit, Audiosuite)
- RTAS (32-bit, real-time)
- DPM-AS (32-bit, Audiosuite)
- VST2 (32 & 64-bit)
- VST3 (32 & 64-bit)
- AAX
- VST2
- VST3
Melodyne 5 Essential
- Mac OS: Intel Dual Coreプロセッサ(Quad Core以上推奨)、4GB RAM(8GB以上推奨)、macOS 10.12以上(64ビットのみ)
- Windows OS:インテルまたはAMDデュアルコアプロセッサ(クアッドコア以上推奨)、4GB RAM(8GB以上推奨)、Windows 10(64ビットのみ)、ASIO対応オーディオハードウェア
*アクティベーション:アクティベーションにはインターネットへのアクセスが必要です。
『Tonal Balance Bundle』か『Music Production Suite 4』か?
iZotopeで特に人気のある2つのバンドル『Tonal Balance Bundle』と『Music Production Suite 3』のどちらを選択するべきか?を考える上でポイントになるのは、特に、以下の四製品の有無です。
『Music Production Suite 4』には、『Tonal Balance Bundle』に入っている全ての製品と以下の4つの製品が収録されています。
ノイズ除去総合ソフトウェアの『RX 7 Standard』
空間系エフェクトのExponential Audio『R4』
空間系エフェクトのExponential Audio『Nimbus』
『NIMBUS』ボーカルエフェクトの『VocalSynth 2』
(Insight 2もMPS4のみに入っています。)
特に『RX7 Standard』の有る無しが大きなポイントになると思います。
上位バンドル『Music Production Suite 4』もセール中です

『Music Production Suite 4 Upgrade from any Ozone or Neutron Standard or Elements』(「Ozone」 もしくは「Neutron」のAdvancedかStandardかElements(バージョンは問わない)を一でも持っていると参加できるアップレード版)が安くなっています。
Music Production Suite 4についての詳細記事:
iZotpe製品全部入りバンドル『iZotope Everything Bundle』もセールになっています:
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