ちょっと前の情報なのですが、去年(2018年)の年末頃にはリリースされるはずだったPropellerhead Reasonの「VST パフォーマンス改良版」(V10.3)のデリバリーが遅れているようです。
そして、この件は意外と長引きそうな気配も。。
しかしながら、「アルファ版」の出来具合は良いそうで、現在ベータテスターと共に開発にいそしんでいるとのこと。
そのあたり事情は、Propellerheadのブログ内の、
ReasonプロダクトマネージャーのMattias Häggström Gerdt氏による記事
「Update on Reason and VST performance(2018年12月14日 発行)」
で見ることが出来ます。
以下がその意訳になります。
「Update on Reason and VST performance(ReasonとVSTのパフォーマンスに関する最新情報)」
(2018年12月14日 発行)
この作業に時間がかかる理由を理解するために、私たちは実際に行っていることについて、いくつかの詳細な情報をを共有したいと思いました。
通常、大きなオーディオバッファに設定して、VSTを使用し実行すると、(多くのVSTでは)CPUの使用率が少なくなりますよね。
実は、Reasonの場合は(ユーザーのオーディオ設定に関係なく)、常にすべてのデバイスを「64フレームバッファ」サイズで動作させてきました。
「Reasonのネイティブデバイス」と「Rack Extensions」はこれに最適化されているため、オーディオバッファの設定が変わっても、CPU使用率に違いはありません。
それ以外のReasonの他の部分でさえも、より大きなバッファサイズを選ぶことで、パフォーマンスを向上させることができます。
しかし、これは私たちのデバイスの場合です。
現在私たちが取り組んでいるアップデートの課題は、
既存の「Rack Extensions」と「ネイティブデバイス」を以前と同様に64フレームバッファで実行し続けながら、
一方で、外部の「VSTプラグイン」を同じ「Reasonラック内」より大きなバッファで実行できるようにすることです。
私たちはこの技術的な方法を選択をしました。
なぜなら、私たちのユーザーの多くは、楽器を「ライブ」で演奏しながら制作します。これには、高いパフォーマンスが期待されるため、フィードバック接続を含む最適なエクスペリエンスのためには、ローレイテンシー(低遅延)が不可欠だからです。
ReasonとRack Extensionsでは、低い固定のバッファサイズを選択することで、その条件に基づいてシステム全体を最適化することができました。オーディオケーブルとCVケーブルをパッチすると、高性能と現実的な結果が得られます。
(訳者注:ただしこれは、Reason内部のみで実現していること。)
私たちの今の仕事は、VSTの異なるパラダイムと、Reasonの世界を結びつけ、あらゆる状況ですべてのユーザーに最高のパフォーマンスを提供することです。
私達は信頼できるテストパイロット達、経験豊かなReasonパワーユーザーの小グループで、私達のプロトタイプを、現在、アルファテストしています。
そして、プロトタイプで、素晴らしい結果を得ています。
私達は「Reasonの新しいプロトタイプ」を「CDM」のPeter Kirn(注釈1)に見せ、それについて話し合いました。彼の印象は、CDM内の彼の記事(注釈2)で読むことができます。
*私の注釈:
注釈1 CDMのPeter Kirn氏とは、ミュージシャンで、音楽情報サイトの「CDM」の作者の事だと思われます。
注釈2 恐らくこの記事:「Reason 10.3 will improve VST performance – here’s how」
上記のCDMの記事によると、劇的といっても良いくらいパフオーマンスが改善する可能性が高いようです。
これらの変更に対応するために、Reasonのすべての部分が更新できた状態になったとき、
私達はよりパブリックなベータテストを開始します。
約束したにも関わらず、私達が時間通りに新しいバージョンを届けることが出来なかったことを謝罪したいと思います。
また、今のところは、新たなリリース日を改めてお知らせできないのは、上記のような理由です。
しかし、我々は一生懸命働いています、そしてそれは近づいています!
私はあなたが、この改善を楽しみにしていることを願っています。そして、それらは、待つ価値があるでしょう。
Mattias Häggström Gerdt
Reason Product Manager
と言う感じみたいです。
恐らく、「ReasonとVSTのパフォーマンス最適化バージョン(V10.3)」に関しては、従来からの約束通りV10ユーザーには無償で届けられるはずです。
(個人的な話で済みませんが)Reason導入当初は、LogicへのスレイブとしてRewireで使用することが多かったのですが、最近は、Reasonのみで使用することが増えてきました。気がつけば、Reasonでしか得られない楽しさの虜になっています。素晴らしいDAWです。
私の環境では、VSTの使用で不具合を感じるケースは多くはないのですが(たしかにLogicと比べるとVST使用時の負荷が高くなりやすい)、、
より安定性が増し、パフォーマンスが良くなってくれるのは大歓迎です。
なので、とりあえず、のんびりと待つことにします。。
Quad Note Generator
Propellerhead Reason関連の情報をもう一本簡単に紹介。
新しくリリースされたPropellerhead Reason用のラックエクステンション・デバイス「Quad Note Generator」 。
MIDIノートを生成してくれるプラグイン(Reason専用)です。
Kirnu Creamより使いやすそう。。これ、次のセール時に狙っています。
同じようなプラグインで「Kirnu – Cream」という製品を持っているのですが、これは大失敗でした。
普通に動いてくれたら多機能で使いやすい良プラグインだったのですが、我がLogicでは不具合でまくりで使い物になりません。(Ableton Liveでもダメなようです。)
ここのデベロッパーは、売るだけ売って開発放棄状態。サポートも機能不全。KVRの該当スレッドでもユーザーの皆さんは諦めモード。
なので、このQuad Note Generatorはぜひとも欲しい。信頼のPropellerhead製だしね。。
せールまで待てるかな。。