ハイパスフィルターをDJ Mixに使う際の注意点(クリッピングを避ける)

Traktorでハイパスフィルターをミックスに使用したとき、出音が過剰にならないようにする方法を解説します。

 

ハイパスフィルター(特にLadderフィルター)を曲同士をミックスする(混ぜ合わせる)時に発生しやすい低音域の過多。

この低音の出過ぎによって、ヘッドルーム(メイン音量のレッドゾーンまでの余裕)を超えて、メイン出力へのオーバードライブが発生しやすくなる。

 

また、このオーバードライブ(処理能力の超過)があると、クリッピング(音質の劣化)が発生しやすくなる。

 

ひとたびクリッピングが発生すると、ひどい音質劣化に直結してしまうデジタルDJでは、このクリッピングを避けることに最大限の注意を払う必要がある。

 

今回はそのクリッピングを避ける具体的な方法を以下に記しておきます。

 

関連記事
Traktor内部ミキサーの秘密兵器・フィルターの選び方と使い方
Traktorのヘッドルームの設定方法

方法

※ 今回は、Ladderフィルターを例に解説します。

2-17.37.28

上の画像を参照してほしい。

   

(上画像の場合、フィルターの状況をわかりやすく説明するために、EQは全て0時の状態。ボリュームフェーダーはそれぞれMAXの値に位置しています。)

まず、右側のDeck B(②)のハイパスフィルターのノブの位置が0%。よって低音域がフルで出ている状態。

  ➕

方や、Deck A(①)のハイパスフィルターのノブの位置は、25%。

  ⬇︎

この時、③のMAINボリューム(メイン出力)のバーが赤色の警告状態になっている

  ⬇︎

この状態の場合、すでにクリッピングが発生している可能性が高い。

DJミックス時の基本として、まずはこの状態は避けないといけない。

 

 

上記の場合、MAINボリューム(メイン出力)のバーが赤色の警告状態を避ける方法として以下のような方法がある。

右側のDeck Bのハイパスフィルターのノブの位置(②)が、

(LOWがあまり切れていない)0%から30%(曲によっては20%や40%)くらいのところにある場合

⬇︎

左側のDeck Aのフィルターのノブの位置(①)は、不用意に30〜40%よりも数値が少なくならない(ノブを左方向まわさない)ように注意する

 

(後にもう少し詳しく解説します。)


ハイパスフィルター使用時、両方の曲が、30〜40%より低い値(左側)にノブの位置がある場合は、両方のトラックの低音が残り過ぎる場合がある。

その時、マスター出力が出過ぎていないか、常に注意深く操作する必要がある。

 

 

特に、Ladderのハイパスフィルターは、Zフィルターと比べ、ハイパスフィルターのノブの位置が30%くらい(時計の針で2時くらい)でも、かなり強くLOWが残る傾向があるので注意が必要。

 

これは、低音(LOW)の抑制がZフィルターほどきつくはないということだが、逆に言うと、LOWが出過ぎてしまう傾向があるということ。

(Ladder程ではないが、Xoneフィルターも同様の傾向がある。)

 

このLadderのハイパスフィルター使用時、LOWが残りやすい傾向を知った上で、 以下の事柄に注意しよう

 

1. メイン出力の表示に気を配ろう

まずい状態

両方のデッキのハイパスフィルターのノブが、30%より少ない値にある場合(LOWがあまり切られていない状態の場合)、Traktorのメイン出力の音量が警告の赤色を示す恐れが高くなることに注意。(下画像の場合は25%と0%)

2 17.37.28

12 14.58.45

メイン出力の音量表示で赤色の警告が出ている場合、クリッピングが起きている可能性があり、音質劣化の原因になりやすいのでこの状態になるのは避けなければいけない。

 

 

理想的な状態 

メイン出力の音量の目安は、低音が出ている時、赤色まで行かずにオレンジ色が見えている状態がベスト

低音が出ている時は、このオレンジ色のバー表示の状態をキープするように注意する。

下画像の場合、ハイパスフィルターの値はそれぞれ、40%と0%。この状態ならメイン出力の出過ぎ(オーバードライブ)には、なっていない。

2 17.26.28

Ladderフィルターを曲同士のミックスで使用する場合は、当フィルターの特性を良く理解し、上記のようにLOWの出過ぎに注意しながらフィルターをコントロールすることが最も重要だ。

 

 

2. ヘッドルームレベルを自分のプレイに適合する値に調整する

ヘッドルームの設定方法は別に詳しく解説したのそそちらを参照にしてください。

Traktorのヘッドルームの設定方法

 

    

LOWの出過ぎをコントロールする方法はいろいろあるが、 簡単なのは以下の2つ

1 .  2つの曲を重ねる(ミックスする)とき、特にLadderを使う場合は、ハイパスフィルターの値が0%から30%(曲によっては20%や40%)くらいの範囲には極力一つの曲しか置かないようにする。

もう一方の曲は、30%(曲によっては40%)から100%の範囲にとどめておく。

※ ただし、曲の移行時はその限りではない。

2 17.26.28

 

1.の上画像のように、

Deck Aが40%で、Deck Bが0%でメイン音量の赤色警告ない状態から、Deck BからDeck Aにメインの音を移していく時、

Deck Aが20%、Deck Bも20%みたいな感じで、徐々に両フィルターを移行させていく必要がある。

その移行時にはMAIN音量のバーの色を注意深く見ながらミックスしていくのが安全だろ。

赤色警告が出ては良くないが、オレンジ色のバーまで音量が上がっていない状態になるのも避けなければならない。

 

この方法の場合、そのフィルターの特性を体が覚えこむまでは、操作感をつかむのが難しいかもしれない。しかし、感覚がつかめるようになれば、MAIN音量のバーの色を凝視していなくてもクリッピングを避けられるようになるはずだ。

 

 

 

2 .  シンプルにEQでLOWの出過ぎを微調整する。


2. の場合、Traktorの内部ミキサーのEQを使って調整するわけだが、

そのEQは「Z ISO」が断然使いやすいと思う。

「Z ISO」は、EQのHI、MID、LOWのそれぞれの周波数帯を、キルボタンを使わずに全カット出来る唯一のEQ。

Ladderフィルター使用時は、低音と高音が過剰になりやすいので、その過剰分をノブの操作のみでキッチリ処理出来るZ ISOは、かなり便利だ。

 

 

以上のような方法で、メイン出力の音量過剰を避けることにより、DJミックスの音質劣化を避けることができ、結果的に綺麗なミックスが作りやすくなるだろう。

そこそこ安く買えるチャらくない質実剛健なDJ用ヘッドホン

これぞ「The Headphone for Real DJs」って感じのHD25。良いモノです。

【国内正規品】ゼンハイザー 密閉型ヘッドホン HD25-1 II

上のHD25の新パケージ版が約半額の価格で買えるようになりました。

(ゼンハイザー・ジャパンの保証がある)国内正規品では今のところアマゾンが最安値です。

オススメです。

   

こっちはソニーのDAWやリスニングも難なくこなす、使えるDJヘッドホン。ド定番。

SONY ステレオヘッドホン MDR-7506

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク