今回は、Mixed in keyに関する記事の第三回目。具体的な設定方法を説明していきます。
Mixed in keyとは、どのようなソフトなのか知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
Mixed In Keyが待望のAppleのMac App Storeで購入できるようになりました!
Mixed in keyの設定方法と使い方
設定方法
まず、Mixed in key(以降「MIK」と呼ぶ)を開いたら、下の図に示した「Personalize」ダブに行き、初期設定を済ませましょう。
update tags
1のupdate common tagsはオンでOK。
2でMIKで分析された情報の書き込み方法を選べます。
上から順に、、
「キー情報だけ書き込む」
「エナジー情報だけ書き込む」
「キー情報とエナジー情報の両方を書き込む」
「キー情報とテンポの数値を書き込む」
の4つ書き込み方法があります。
私は、スタンダードに、「キーとエナジーの情報の両方を書き込む」ようにしてます。
3のwhere to write itでは、
分析された情報をitunesやtraktorのどこに書き込むかを指定できます。
私は、コメント欄に書き込ませたいので、「over write comments」にチェックを入れています。ただし、コメント欄に何か個人的に書き込みがしてあって、それを消したくない方は、その上の「in front of the comments」を選択するのが良いと思います。
自分のコメントの前に、mixed in keyの情報が書き込まれます。
4のチェックボックスににチェックを入れると、traktorの場合、「key file」欄にもキー情報が書き込まれます。私は、チェックを入れています。
5はMIKが曲のテンポを検出して、TraktorやSerato、itunesのテンポ欄にテンポの数値を書き込みます。
ただし、「keep exsiting temp values」にチェックを入れると、TraktorやSeratoで検出済みのテンポの値を優先し、MIKが検出した値は書き込まれません。
6にチェックを入れると、itunesのグループ欄にエナジーレベルの数値が書き込まれます。私はチェックを入れています。
8の「Re-tag existing files」は、分析済みのMP3ファイルにタグを書き込み直すためボタンです。結構時間がかかります。私は、この機能はあまり使わず、うまくタグ付けできなかったファイルは、面倒でも、もう一度分析にかけ直しています。その方が確実なようです。
Export Cue Points
MIKが分析したCueポイントを書き込ませるかどうかを選択できます。
Seratoの場合は、「Serato」の左にチェクを入れればそれで自動的に、MIKが分析したCueが書き込まれるようです。(現在、Seratoを使用できる環境にないので、はっきりしたことが言えません。どなたか教えていただけると助かります。)
TraktorにMIKが分析したCueポイントを書き込ませたい場合は、ちょっと設定をいじる必要があります。
1の「Change」をクリック。
ファイル選択タブが出てくるので、Traktorのroot dictionaryである「Native Instruments」フォルダを選択します。
「Native Instruments」フォルダは、Macの場合は通常、「書類」の中に作成されてるはずです。
/Users/ユーザー名/Documents ←Macの場合、通常はここ
「Native Instruments」フォルダの場所の確認方法は、
TraktorのPrefarances(設定画面)のFile managemantタブのDictionariesの「Root dir」の場所をチェックすればわかります。
Traktorの「Native Instruments」フォルダの場所の指定が完了したら、2の「Traktor」の左側のチェックボックスにチェックを入れましょう。
注意!!
3の「mixed in key should overwrite…」にチェックを入れると、
曲に元から付いているCueポイントを消し去って、MIKが新たにCueポイント上書きすることになります。
ご自分でCueポイントを付けていて、それを消したくない方は、ここにチェックを入れてはいけません。注意してください。
また、SERATOでもTraktorでもMixed in keyに勝手にCUEポイントを付けられたくない方は、この「Export Cue Points」のチェックはすべて外しておく必要があります。
ただし、私の環境ではバグが発生していて、
Export Cue Pointsのチェックはすべて外しているにもかかわらず、一部のトラックに、勝手にCUEポイントが付けられてしまうことが稀にですが発生しています。
2016年9月15日追記:
Mixed in keyをバージョン8にアップデートしてみました。今のところ、上記のような「勝手にCUEポイントが打たれる」バグは発生していません。
4の「Export cue points for exsiting files」ボタンは、
MIKが分析を完了しているはずなのに、TraktorやSeratoにMIKがCueを付加した痕跡がない場合、(MIKが分析して指定したCueポイント書き込みたい場合に)クリックします。
クリック後、時間がかかりますが、MIKの分析したCueポイントがTraktor等に現れるはずです。
この機能がうまく働かない場合は、MIKの情報をリセットして、もう一度分析しなおす必要があります。
個人的には、このExport Cue Points(Cueポイントの自動付加機能)はオフにして、音楽ファイルに自動Cueポイント情報を書き込ませないようにしています。
やはりCueポイントはDJの個性が出せる部分と認識しているので、この機能は自分としては余計なものと感じてしまします。
また、MIKによるこの「Cueポイントの自動付加機能」はフレーズ(phrases)に対して誤ったCueの付加をしている場合も散見されます。
私は、フレーズ・ミキシングに対してかなり神経質な方なので、やはり手動で適切なCueポイントを設定していくこと選択しています。
ただしこの機能を好んで使うDJは、かなり多いようです。膨大な数の曲に一つ一つ複数のCueを設定していくのは気の遠くなるような作業ですから。。
そういった意味では、(そこそこ正確なCueポイント設定はされるので、手動による完璧なCueポイントを望まなければ)DJによってはありがたい機能の一つではあるでしょう。
動作が不安定になったMixed in keyをリフレッシュ(リセット)させる方法
Macの場合
/Users/ユーザー名/
Library/Containers/com.mixedinkey.application/Data/Library/Application Support
の中にある「Mixedinkey」のフォルダを開いて、以下の2つのファイルを削除。
(場合のよっては、一番下の「〜.backup」ファイルは作成されていないこともあります。)
※ちなみに、ユーザーフォルダ内のLibraryフォルダは隠しフォルダで通常は見えなくなっています。
隠されているLibraryフォルダを表示するには、Finderのを開き、Option キーを押しながら移動メニューをクリックします。ホームフォルダーの直下にライブラリフォルダーが表示されます。
詳しい方法はこちらのアドビ社のサイトへ。https://helpx.adobe.com/jp/x-productkb/global/cpsid_91195.html
Windowsの場合は以下のリンクを参照にしてみてください
http://screencast.com/t/KVAFG7pD
これでMixed in Keyのデータが全てリフレッシュされます。Mixed in key側の分析済みデータは全て削除されますが、分析データはタグとして(MP3などの)音楽ファイル側に書き込まれますので、特に問題はないかと思います。
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Rename Files
なぜか私の環境では、1の「Automatically remane files after processing」にチェックを入れないと、キー情報がMP3ファイルに書き込まれないので、ここにチェックを入れています。
追記:
1の「Automatically remane files after processing」にチェックを入れなくてもキー情報がTraktorに反映されるようになったので(バグが直った?)、こちらはOFFにしています。
itunesを使用している場合は、itunesの環境設定に行って、必ず以下の図のようにしましょう。(これをやらないと不具合が起きてしまいます。)
Key Notation
キー情報の表示方法です。
ここはCamelotがわかりやすくてオススメですが、音楽理論に精通されていて、ちゃんとしたキー表示を望む方はお好みで選択してください。
Tempo
上部は、テンポの検出限界値です。ご自分の持っている曲やジャンルに応じたテンポ検出限界値を設定してください。
ハウスやEDMの場合は、上記のデフォルトの数値程度で良いかと思います。
私の場合は、Traktor側のテンポ数値を優先して使用しているので、MIKのテンポ表示はそれほど重要視していません。
Auto Player
MIK自体を音楽プレーヤーとして使用する場合の設定画面ですが、基本的にここはいじらなくても問題ないでしょう。
Display Options
MIK自体の表示設定です。基本そのままでOKでしょう。
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曲を分析にかける方法
上記の図のように3つの方法があります。
お好みの方法で構いませんが、私はドラッグアンドドロップで曲をMIKの画面に投げ入れています。
また、PCのスペックによっても違ってくるのかもしれませんが、一度に分析にかける曲の量が、あまりにも多いとMIKがクラッシュしたり、一部分析漏れが出てしまうことがあります。
私のMacBook Airの場合は、一度に処理できる曲数は800トラックくらいが限界です。
普段は一度に分析にかける量は、300トラックくらいに抑えるようにしています。その方が、分析漏れが出る確率が減るようです。
Mixed in keyの分析作業時はネット接続が必要です。
理由は、
海賊版使用行為の予防のためと、
他のソフトより分析精度を上げるために、Mixed in key社のサーバを使用して分析作業を行っているようです。
個人的には、この点がこのソフトの最大の欠点だと思っています。
Mixed in key・創業者のYakov Vorobyev氏によると、ネット接続で(ユーザーを識別可能な)個人情報の収集は一切行っていないと明言していますが、気持ちの良いことではありませんね。
この件に関しては、DJの間でも結構な議論になっていて意見が割れています。
しかし、キー分析の精度を考えると、このソフトしか実質的に実用的なものがないので、選択の余地がありません。。
私は、この件がネックでMixed in keyの導入を躊躇していたのですが、最近AppleのMac App Store経由で購入が可能になったので導入を決めました。
Appleで売られるアプリは他よりは信頼性が高いと思うので。。
検出結果画面と音楽プレイヤー画面
曲のアナライズ(分析)が完了すると、上の画像のような表示になるかと思います。
わかりやすいので、特に解説を入れなくてよさそうですが、基本的なところを少し触れておきます。
1が、その曲の「キー情報」です。この曲の場合は、「8A」です。
2が、その曲の「エナジーレベル」です。曲の場所によってエナジーの値が変化しているのがわかります。
3が、MIKが自動的に付加したcueポイントです。この場合、6つのCueポイントが付加されています。
分析が完了して、Traktorの音楽ライブラリのコメント欄に現れたMIKからの情報
itunesのコメント、グループ欄にも自動的に情報が書き込まれています。
Mixed in keyで分析済みの曲をtraktorで読み込むと、こうなります。
↓
① は、選択したキューポイントのエナジーレベルを表しています。この場合は、「キューポイント4」のエナジーレベルは「4」。
②は、Mixed in keyが自動的に探し出し、付加してくれた、キューポイント。(もちろんこの機能はオフにもできます。)
下の画像のようにキューのエナジーレベル表示の横の逆三角形をクリックすると、キューポイントごとのエナジーレベル一覧が出てきます。
一つの曲でもエナジーレベルが違うことがあるので、前にかかっている曲に合わせて、エナジーレベルが調子の良いポイントを素早く選んで、ミックスに生かすことが可能です。
私個人の使用方法は、キー情報のみ参照にしています。CUEポイントとエナジーレベルは使っていません。その2つは、自分で決めるのが好きなので。。
しかし、その2つの機能のためにMIKを使ってる人も多いようです。
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Mixed in keyの「キー情報」の基本的な利用法
Mixed in keyに、あなたの持っている曲たちを分析にかけると、その曲のキーは何番なのかをMP3のタグに書き込んでくれます。
キーの種類は、12段階で、またその1段階にそれぞれAとBがあります。ゆえに、1A、1B〜12A、12Bまでの24通りのキーがあることになります。
上記の図を参考にしてください。
スムースなミキシングをするには、キーの性格が近いもの同士をミックスするのが基本です。
例えば、「12B」の曲がフロアでかかっていて、次の曲を選ぶ場合、スムースにミックスしやすい曲のキーは、「12A」と「11B」と「1B」です。そしてもう一つは、同じキーである「12B」となります。なので、合計で4つのキーが選択可能なキーとなります。
上の図(チャート)で、現在の曲のキーの「横」と「縦」に隣接するキーの曲が、ミックスに適していると覚えれば基本的に間違いありません。
応用テクニックとして、エナジーブーストという方法もあります。
「12B」から一列抜かして「10B」や「2B」に飛ぶという選曲法です。この方法では、不協和音が発生する場合もあるので、ご自分で最適解を探しながら導入してみてください。
実は、キーを合わせなくても、イコライザやフィルタ、FXなどを使用して、キーを見えなくしたり誤魔化して、キーの近くない曲同士をミックスすることも、もちろん可能です
また、その方法の方が、DJの個性が出やすいですし、聞いている側は、曲が変わったという実感が持てることが往々にしてあるで、ストーリー展開を考えた場合、そちらの方法の方が有効な場合もあります。
結局、キー情報は一つの指針であって、それが全てではありません。DJとしての個性を重視したいなら、それらを利用しながらも、自分の方法論とテクニックを作り上げていくことが大切でしょう。
DJとしては色々な引き出しを持っている事が強みになります。Mixed in keyは、他と差をつけたいDJにとって、非常に強力なツールの一つになりえるはずです。
Mixed in keyを利用する前に注意しておきたいこと
トラックのBPMを変化させると、そのトラックのキー自体も変化していきます。
せっかくMixed in Keyでキー分析を済ましても、BPM(ピッチフェーダー)の上げ下げでキーが変わってしまうと、その分析数値が意味をなさなくなってしまいます。
それを避けるために、BPMを変えてもキーが変わらないようにする「キーロック」機能を活用しましょう。
Traktorの場合は、下の画像を参考に、デッキの音符マークか、キー用のコントロール・ノブ直下の水色のランプをクリックして点灯させます。
これでキーロック状態になり、ピッチフェーダーを上げ下げしてBPMを変化させてもキーの状態は維持されます。
ただし、あまりにもBPMを変化させると音自体の変質につながるので注意しましょう。
また、Seratoの場合は、別途で「Pitch ‘n Time」を導入すると、結構荒いピッチフェーダーの上げ下げをしてもキーロックの音質劣化がほとんど起きないようです。Traktorユーザーの自分にとってはこの機能はとても羨ましい。
Mixed In Keyが待望のAppleのMac App Storeで購入できるようになりました!
お勧めコントローラー
For Serato
For TraktorFor Traktor