Traktorを最新の2.10.3から旧バージョンの2.6.8(+ Moutain Lion )に移行してみた。
Yosemite + Traktor 2.10.3まで悩まされていた音質の劣化は全く起きていない。
素晴らしい音質と安定感。
しかし、その後一点だけ困ったことが起きた。
曲をロードすると、すべての曲の再アナライズが必要になってしまった。
要するに曲のStrips情報がちゃんと読み込めなくなってしまったっぽい。
すべてアナライズし直せば解決なのだけど、何が原因なのか知りたかったので色々調べてみた。(Traktorでアナライズ済みだった曲は大量にあったので、再アナライズとなると相当時間がかかるのだが、仕方がない。。)
最初に断っておくと、Traktorと言うDJソフトに興味のない方にとっては退屈な記事です。
今回は自分用の作業メモを公開しているだけなので、、。
先に結論
結論から言うと、原因はTraktorと紐付けしていたiTunesの音楽ファイルを作り直したことが良くなかったようだ。
Traktorの移行と同時に、itunesを事情があって最新バージョンの12から10.7に移行していた せいだった。
過去にアナライズ済みの曲なのにそれが反映されていない
iTunesを最新バージョンの12から10.7に完全移行した。
したかって、すべての曲のロケーション(場所)情報が変わってしまった。
しかし、ロケーションが変わった場合でも、Traktorは賢くてて、その無くなった曲を探す機能がちゃんとある。
Traktorのブラウザに搭載されているRelocate(再配置)という機能だ。
このRelocate機能を使うと、楽曲の場所が変わっても、過去にその曲をアナライズしたり、CUE打ちをしたり、グリッド調整をしたことがあれば、Traktorはそれらの作業を記憶しているので、その曲を見つけ出した後、再度それらの作業をし直す必要は無くなる。(はずだが。。)
Relocateを使う方法
itunesなどに入れている音楽ファイルを移動させてしまった場合、それらをハードディスク上から探し出し、再びTraktor側の曲情報と関連付けられるようにする機能がRelocate。
まず、全曲をcheck consistencyで再検索にかけて、置き場所が変わってしまった曲を精査して、Relocateする準備をする。
もちろん、全曲のロケーション(場所)情報が変わっているので、
曲をcheck consistencyで再検索にかけても、それらの曲は、Missing Track(どっかにいっちゃった曲)であるとTraktorに指摘される。
その場合、Relocateで曲ありかを再検索することになる。
1 . ブラウザセクションでMissing trackと表示された曲を右クリック。(今回は全曲を選択して、右クリック。)
コンテキストメニューの「Check Consistency」をクリック。
2 . 「Consistency Check Report」の「Missing Tracks」タブを選択し、下のほうにある「Relocate」をクリック。
ローケーション選択用のFinderが開くので、曲がありそうなフォルダを選択。
自分の場合、今回は、新たに作り直したitunes10のitunesフォルダ内。
場所は、
~/Music/iTunes/iTunes Media/Music
このMusicを選択して、Relocatedタブの右下にあるOKを押せば、あとはTraktorが自動的にすべての曲のロケーション情報を修復してくれる。
と、これで一件落着かと思ったのだが、そうではなかった。。
最初の表題の通り、Stripsの再アナライズが必要になってしまった。
しかしなぜか、過去に作成してたCUEポイントやビートグリッド設定などはきちんと記憶されていた。
なぜなんだろう?
原因を探る
最初、Traktorが犯人ではと疑っていた。Traktorを旧バージョンに戻したせいで、Strips情報が読み込めなくなってしまったのでは?と。
しかし、いろいろ試行錯誤しているうちに、itunes側が怪しいことがわかってきた。
私は、前述の通り、Traktorを旧バージョンに移行した時と同時に、itunesを12から10に移行させている。
結局これが犯人だったわけだが。。
その理由をこれから述べていこう。
itunesの話
itunesの特性上、itunes12のフォルダをそのままitunes10に移しても、itunes10では12の情報は読み込めない。
今まで使っていたitunes12のitunesフォルダ内にある「iTunes Library.itl」は、itunes10では使用できないのだ。
iTunes Library.itlとは、
ライブラリ内の曲と、作成されたプレイリストから構成されたデータベース。このなかにituneの情報が詰まってる。これが読めないと、作ったプレイリストやレートなどの情報が引き継げない。
古い10から新しい12には引き継げるが、逆はできなくなっている。
(酷いよ。Appleさん。。)
従って一手間作業が必要になる。
itunes12のライブラリを書き出して保管して、itunes10にすべての12からの曲を放り込んで、
事前に作っておいた12のライブラリを10で読み込んだ。
これで一応itune10への12で作成していたプレイリスト情報の移行はOKだった。
しかし、曲自体は再度コピーし直していて、しかも12の頃とは全く異なるライブラリ情報になってるので、
Traktorにとっては、その新しい曲たちが元のitunes12頃の曲とは認識できないようなのだ。
ただし面白いのが、TraktorでRelocatedにかけると、新しいコピーのほうの曲でも、ストリップ以外は元の曲の情報と同期できるようだ。CUEやビートグリッド設定など。
なんかややっこしいので、この際、ユーザーフォルダの書類に作成されるNative Instrumentsのフォルダについてきちんと知っておいたほういいと思った。
書類の中のNIのフォルダがTraktor関連情報の心臓部
そのNative Instrumentsフォルダ直下ににあるTraktor(+バージョンの数字)フォルダがTraktor用のrootデレクトリと呼ばれる部分。
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各ファイル、フォルダの役割は、、NIのここが参考になった。
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TRAKTORをインストールするとどのようなファイルやフォルダが作成されますか? | Native Instruments TRAKTOR サポートページ
引用:
collection.nml (ファイル):
このファイルには現在のTrack Collectionに含まれ、ルートディレクトリの中で最も重要なファイルです。TRAKTORは毎回ソフトウェア起動時、このファイルを読み込みます。使用中にコレクション/プレイリストの変更を行った場合は、TRAKTORソフトウェア終了時にファイルが更新されます。このファイルにはTrack Collectionに追加したトラック、タグ、プレイリストに関する全情報が含まれています。TRAKTORをコンピュータで初回起動した時、このファイルは作成されます。
Stripes (フォルダ):
このフォルダの内容は、楽曲トラックの解析時に生成されます。デッキに曲をロードした時、ストライプは既に解析されたトラックの下部に表示されます。
Transients (フォルダ):
このフォルダの内容は、楽曲トラックの解析時に生成されます。この情報はビートグリッド設定とビートシンクのために不可欠なビート情報を含みます。
いろいろなファイルとフォルダがあるが、上記の3つが最重要なファイルっぽい。
どうやら、ストリップ情報とCUE、ビートグリッド情報などは別のフォルダとして独立して保管されているようなのだ。
なので、CUE打ちの情報やビートグリッド調整は記憶されていたが、Strips情報は引き継がれないというダブルスタンダードが起きてしまっている模様。
しかし、これなら、ほぼ問題ないと状況だとも言える。
CUE打ちやビートグリッド調整はユーザー自身がコツコツやらなきゃいけない仕事なので、これが引き継げているだけでも相当ありがたいわけだ。
失われたStrips情報の再作成は、時間のかなりかかる作業だが、仕事自体はTraktorにすべておまかせで、ユーザーはただ待ってれば良いだけだ。
実験
TraktorのStripsフォルダの中身を全部、他の場所(デスクトップにフォルダを作ってその中)に移動させる。
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Traktorで、プレイリストの中の任意の曲をロードする。
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新たにStripsフォルダ内に「062」のように数字のフォルダが作られる。
その中を覗くと、数字とアルファベットの文字列のファイルができている。
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デスクトップ側に置いた、過去のStripsフォルダの中に「062」がないか探す。
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あった。
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中のフォルダの名の文字列も一緒。
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そのファイルを入れ替えてみる。
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再度同じ曲をロードしてみる。
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あれ? やっぱり、再アナライズされる。
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新旧両方の同一名のファイルの情報を見てみる。微妙にサイズが違う。
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もう一回。上記と同じことをやってみる。
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曲をロード時に、同じファイル名なので、新しいファイルと旧ファイルとに置き換えられている。
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なるほど。。
わざわざStripsフォルダ内の全部のフォルダを捨てなくても、新規の曲をロード時に勝手に過去の同じストリップ情報が入っているファイルと入れ替えられるので、無駄なフォルダが残ることはなさそう。
Stripsフォルダだけでも4GB近くあるので、その辺が不安だった。
なので、NIのフォルダはそのままで良さそう。
最新の2.1.3の頃使っていたNative Instrumentsフォルダをそのまま、2.6.8用として使えば良いようだ。(※)
全曲をゆっくりアナライズしなおせば、すべて解決しそう。
※ フォルタ名は2.6.8に変更してもいいししなくてもいい。traktorの設定のFile Managementの中段にあるDirectoriesのRoot Dirで自分の使っているTraktorルートフォルダを指定すればいい。
例えば、私の場合は今までTraktor2.1.3を使っていたので、それをこのセクションで場所指定してあげればいい。
結局、犯人はTraktorのダウングレードではなく、itunesの自分の作業(音の入れ直し)のせいでした。
なんかここまで書いて読み返してみたが、本当にまとまりのないメモになってしまいました。。
この問題に遭遇した人と解決法をシェアできればいいだけなので、この記事はこのままここに置いておきますね。。
おまけの話
ちなみに、旧バージョンのTraktor2.6.8+ Moutain Lion組み合わせは、CoreAudio関連のトラブルの面では安定しているが、
以前まで使用していた最新版のTrktor2.10.3とYosemiteの組み合わせと比べると、LOADメーターの値が増加しているのがわかる。
使用上、今のところ特に不都合は感じていないが、4デッキでRemix deck使用やMacroFXなんかを多用するとLOADメーターがクリッピングを起こす可能性もありそう。
私の場合は、その手の機能は基本的にはあまり使用しないので、問題ないのだが。。
やはり、新しいTraktorのバージョンの方が、システムのオーディオ処理の最適化がよりスマートになっているんだなと感じる。
このあたり、どちらを取るか個人の問題。
自分は複雑な機能を捨てる代わりに安定性をとった感じ。
Native Instrumentsが現在行っている「MacOS SierraとTraktorとのテストと最適化」がうまくいけば、この我慢も短期間で済むだろうと淡い期待を持ってはいます。。